WORKS

制作の技法

彫金の技法には大きく別けて二つの技法があります。
  ・地金を直接加工する技法
  基本作業は地金(平板や線材料)を糸鋸で切り出し、叩いて打ち出したり、
  曲げたり、貼り合わせたり、彫り削りして形にします。

  ・鋳造する技法
  基本作業は蝋で原型を作り、耐火石膏を流した後
  加熱して蝋が溶けた空間に金属を溶かし入れます。 
  
二つの技法は組み合わせて制作される場合もありますが、
私はほとんど前者の技法で制作しています。 
デザインをそれぞれ分割して切り出すので、多い物は50パーツ以上にもなり
また、クサリなども一つずつ手作業で編んでいます。

作品のほとんどは銀を主体に、作品により、金、銅、又はそれらの合金を
色合いや用途によって溶かし合わせて作ります。
銀は性質上、時間が経つと黒く曇った色になるので、光沢を維持したい部分に
金銀合金を使用したり、逆に黒めにしたい部分には銅銀合金などを使用します。
また、銅などを使用する場合、直接肌に接する部分には銀を使用します。

作品には、ほとんどに宝石、貴石、牙、などを嵌めこんであります。
通常はガラスを使用する事が多い目玉の表現は、江戸時代の根付け細工のように
動物の歯に黒サンゴを象眼したパーツを作り、嵌め込んでいます。
ポップな表現にするためにこの素材を選択しました。

銀の表面は完全に磨くと鏡のように光を反射するものですが、
表面の加工次第で石や布のような表現、
また、磨き具合によっても多彩な表現をすることが出来ます。